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反抗期の構図

 反抗期になると子は親の望むことをしなかったり親の嫌がることをしたりする。その様子をハイダーのバランス理論を使って確認する。

図1 図2
図1
a:子
b:親
c:親の望むこと
図2
a:子
b:親
c:親の嫌がること

 子が親の望むことをしてくれない時の子にとってのバランスは図1のようになる。深層心理はともかく、親には子に嫌われている(Wab|b < 0)ように見えるだろう。親が嫌い(Wab|a < 0)だから親の望む(Wbc|a > 0)ことをしない(Wac|a < 0)のか、したくない(Wac|a < 0)ことをするように親が望む(Wbc|a > 0)から親が嫌い(Wab|a < 0)なのか、あるいは親が嫌いなように見える(Wab|b < 0)のか、解釈はいろいろあるだろうが、とにかく図1のようになる。
 子が親の嫌がることをしている時の子にとってのバランスは図2のようになる。こちらも、親には子に嫌われている(Wab|b < 0)ように見えるだろう。親が嫌い(Wab|a < 0)だから親の嫌がる(Wbc|a < 0)ことをする(Wac|a > 0)のか、したい(Wac|a > 0)ことを親が嫌がる(Wbc|a < 0)から親が嫌い(Wab|a < 0)なのか、あるいは親が嫌いなように見える(Wab|b < 0)のか、解釈はいろいろあるだろうが、とにかく図2のようになる。
 もしも、親のことを好きなのに親に逆らっていたら、図3、図4のように子にとってバランスの悪い状態になり、ストレスになる。

図3 図4
図3
a:子
b:親
c:親の望むこと
図4
a:子
b:親
c:親の嫌がること

 もしも、親のことを好きだったら、親の望むことをして(図5)、親の嫌がることをしない(図6)方がバランスが良く、ストレスにならない。

図5 図6
図5
a:子
b:親
c:親の望むこと
図6
a:子
b:親
c:親の嫌がること

 図2のように子が親の嫌がること c をしている場合に、親が c を肯定したら図7のように子にとってのバランスが崩れる。
 子が c を親に肯定された(Wbc|a > 0)ことで親のことを好き(Wab|a > 0)になれば、図8のようにバランスが良くなる。もしかしたら、親の目論見は図9だったかもしれない。子が親のことを嫌って(Wab|b < 0)いたら、c を親が肯定(Wbc|b > 0)したことで逆らって c を否定(Wac|b < 0)するかもしれない。しかし、通常は図8のようになると思われる。

図7 図8 図9
図7
a:子
b:親
c:親の嫌がること
図8
a:子
b:親
c:親の嫌がること
図9
a:子
b:親
c:親の嫌がること

 いったん図8のバランスに変えた後に、子に好かれたまま(Wab|a > 0)の状態で c に問題があると思っている(Wbc|b < 0)ことを子に伝えて図4のように子にとってのバランスを悪くすれば、図10のように子は親の嫌がることをしなくなるかもしれない。

図8 図4 図10
図8
a:子
b:親
c:親の嫌がること
図4
a:子
b:親
c:親の嫌がること
図10
a:子
b:親
c:親の嫌がること

 いったん図8のバランスに変わったら、【更生期待の構図】のように好意の返報性を利用して子に伝わるように好意(Wba|a > 0)を示し続ければ親は子に好かれた状態(Wab|a > 0)を維持できるかもしれない(図11、図12、図13)。

図11 図12 図13
図11
a:子
b:親
c:親の嫌がること
図12
a:子
b:親
c:親の嫌がること
図13
a:子
b:親
c:親の嫌がること

 ただ、【更生期待の構図】では相手に同調して好かれるプロセスはない。自分の価値観を維持しつつ相手に好意を示し続けている。子の反抗期には親が子の価値観に触れて視野を広げることがあっても良いと思うが、親が自分の価値観を維持し続けて子が自分と異なる価値観の存在を受容できるようになるのを見守るのも重要だろう。【更生期待の構図】は後者である。


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カテゴリー:疑似ソシオン理論

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