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自分の嫌いな人が恋のライバルの場合

 【好悪感情のバランス理論】より。ハイダーのバランス理論の例をソシオン理論の表記法で示す。

図1 図2
図1
a:自分
b:ライバル
c:異性
図2
a:自分
b:ライバル
c:異性

 自分の嫌いな人が恋のライバルの場合、自分にとってのバランスは図1のようになる。
 図1の状態はバランスが悪く、図2のように b が c さんのことを嫌いになればバランスが良くなる。b が c さんのことを嫌いになるまで待てば良いのだろうか。
 ところで、c さんは b のことをどう思っているのだろうか。

図3 図4
図3
a:自分
b:ライバル
c:異性
図4
a:自分
b:ライバル
c:異性

 図3のように c さんが b のことを嫌っていれば、バランスが良くて落ち着く。しかし、図4のように c さんが b のことを好きだとバランスが悪くて落ち着かない。
 a は c さんが b を嫌いになるように働きかけて図3の状態を目指すだろうが、c さんの気持ちを変えるのは難しい。
 では、c さんにとってのバランスはどうなるだろうか。

図5 図6 図7
図5
a:自分
b:ライバル
c:異性
図6
a:自分
b:ライバル
c:異性
図7
a:自分
b:ライバル
c:異性

 図5のように c さんが a のことを好きで b のことは嫌いなら、バランスが良くて安定している。a は何もする必要がない。しかし、図6のように c さんが b のことは好きだけど a のことを嫌っているのなら、やはりバランスが良くて安定しているので、このままでは a は嫌われたままで変化しないから a は何とかしなければいけない。そこで、a は c さんに好かれるように働きかけて、いったん図7の状態にする。これで c さんにとってバランスの悪い状態になり、c さんは図5か図6を選択しなければならない。すなわち、a と b のどちらかを選ばなければならない。
 図7の状態にすることは、c さんを苦しめることになる。c さんを苦しめたくないのなら、図4の状態を受け入れるしかない。しかし、もしも b が c さんを不幸にするような問題のある人だったら、いったん図7の不安定なバランスになるように a は c さんに好かれるよう努力した方が良いだろう。

図8 図9
図8
a:自分
b:ライバル
c:異性
図9
a:自分
b:ライバル
c:異性

 もしも、a が b のことも好きになれば、例えば「好きな人の好きな人は好き」というハイダーのバランス理論にしたがって、c さんの好きな人である b のことを好きになれば、図8のようにバランスは安定する。
 しかし、やはり嫌いな人を好きになるのは難しい。それで結局は図9のように好きだった c さんのことを無理に嫌いになって自分にとってのバランスを安定させることもあるだろう。嫌いになる理由の一つとして「 b のことを好きなようでは c さんはダメだな」がある。イソップ童話の「すっぱい葡萄(狐と葡萄)」で狐が「どうせこんなぶどうは、すっぱくてまずいだろう。誰が食べてやるものか」と捨て台詞を残して去るような合理化である。


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カテゴリー:疑似ソシオン理論

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