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ソシオン理論の表記法

 「ソシオン理論」という人間関係をネットワークとして考えるモデルがある。基本的なことは『ソシオン理論入門』という本があるので、そちらで学んでほしい。
 ここではソシオン理論を使って人間関係を考察する際に使う道具(表記法)について書いておく。

a は b が好き。 a は b が嫌い。
図1 a が b を評価する
(a は b が好き。Wab > 0)
図2 a が b を評価する
(a は b が嫌い。Wab < 0)

 ソシオン理論のネットワークを図示する際は図1を組み合わせることになる。左側の円 a の中の小さな円は b に対する a の気持ちを表し「荷重」と呼ぶ。この円が大きければ b を高く評価していることを表し、小さければ低く評価していることを表す。その大きさを記号表記にすると Wab となる。
 図1は a が b をプラスに評価している(Wab > 0)の場合であるが、マイナスに評価している(Wab < 0)場合は図2のように a の中の小円を塗りつぶして描く。
 簡単に表現するために「a は b が好き」「a は b が嫌い」と書くことが多いが、嫌いでもプラスに評価している場合(Wab > 0)があるので、考察する際には注意が必要である。

 矢印は自分自身にも向かう。図3は自分をプラスに評価していて、図4は自分をマイナスに評価している。

a は自分が好き。 a は自分が嫌い
図3 a が a を評価する
(a は自分が好き。Waa > 0)
図4 a が a を評価する
(a は自分が嫌い。Waa < 0)

 a が b と自分自身を評価するだけでなく、b も a と自分自身を評価するので、二者関係を図示すると例えば図5のようになる。

a は b が好きで自分も好き。b も a が好きで自分も好き。
図5 a と b の二者関係
(a は b が好きで自分も好き。Wab > 0,Waa > 0)
(b は a が好きで自分も好き。Wba > 0,Wbb > 0)

 図5では a と b の中の小円が白い場合(Wab>0 and Waa>0 and Wba>0 and Wbb>0)であるが、黒い小円が含まれる場合(Wab<0 or Waa<0 or Wba<0 or Wbb<0)もある。

 同様に三者関係を図示すると図6のようになる。

a、b、c の三者関係
図6 a、b、c の三者関係
(a は b も c も自分も好き。Wab > 0,Wac > 0,Waa > 0)
(b は a も c も自分も好き。Wba > 0,Wbc > 0,Wbb > 0)
(c は a も b も自分も好き。Wca > 0,Wcb > 0,Wcc > 0)

 図6も白い小円ばかりであるが、もちろん、三者関係でも黒い小円が含まれることがある。

 同様に四者関係、五者関係など多数の関係が描けてネットワークは広がっていく。多面体の各頂点が結ばれているようなイメージである。

 さて、b は a が好き(Wba > 0)だが、a は b に嫌われている(Wba < 0)と思っていることがあるだろう。そして、a の行動は事実よりも a の主観に基づいて決まる。したがってネットワーク上の各自の主観を考察するための表記が必要である。
 このブログでは a が思っている「b の a に対する評価」を Wba|a と書くことにする。同様に b が思っている「a の b に対する評価」を Wab|b と書く。他にも a が思っている「b の自分に対する評価」を Wbb|a、 b が思っている「a の自分に対する評価」を Waa|b と書く。一般に i が思っている「j の k に対する評価」を Wjk|i と書くことにする。
 「 b は a が好き」は「Wba|b > 0」であり、「 a が b に嫌われていると思っている」状態は「Wba|a < 0」である。「 a が b に好かれていると思っている」状態は「Wba|a > 0」である。
 さらに、例えば、a が「b は 『c は d が好きだ』と思っているのではないか」と推測していることもある。このように a が推測している状態を Wcd|b|a と書くことにする。a が「b は 『c は d が好きだ』と思っているのではないか」と推測している状態は「Wcd|b|a > 0」で、a が「b は 『c は d が嫌いだ』と思っているのではないか」と推測している状態は「Wcd|b|a < 0」である。

 ところで、他人に対する評価は常に一定ではなく、褒めたり貶したりして評価が上がったり下がったりする。その褒めたり貶したりする行為の表記もあると良い。そこで、このブログでは、例えば、b が a を褒めたり貶したりしたことによる評価(荷重)の変化を ΔWba と書くことにする。微分・積分の真似をして dWba あるいは ∂Wba 書くこともあるだろう。さらには、ある時間 t での評価(荷重)として Wba(t) という表記を使うことがあるかもしれない。その場合は「Wba(t+dt)-Wba(t)」がdtの間に加えられた荷重になる。
 できるだけ混乱しないように気を付けるが、混乱していることに気付いたら訂正することがあるのでご注意願いたい。


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カテゴリー:疑似ソシオン理論

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