モノ・コトとの二者関係
私はチョコレートが好きだが、チョコレートは私のことを好きでも嫌いでもない。私は本を読むことが好きだが、「本を読むこと」は私のことを好きでも嫌いでもない。そんな「モノ」や「コト」との関係も人間関係を考察する上で重要である。
「ヒト」と「ヒト」の二者関係は例えば次のように表記する。
図1 a さんと b さんの二者関係 |
a さんは b さんを評価し(Wab > 0 or Wab < 0)、b さんも a さんを評価する(Wba > 0 or Wba < 0)。さらに、a さんは自分自身を評価し(Waa > 0 or Waa < 0)、b さんも自分自身を評価する(Wbb > 0 or Wbb < 0)。
しかし、「モノ」や「コト」は他者や自分自身を評価しないので、「ヒト」と「モノ」や「コト」との二者関係は例えば次のように表記する。
図2 a さんと b(モノ・コト)の二者関係 |
「ヒト」である a さんは「モノ」や「コト」である b を評価する(Wab > 0 or Wab < 0)が、b は a さんを評価しない(Wba = 0)。また、 a さんは自分自身を評価する(Waa > 0 or Waa < 0)が、b は自分自身を評価しない(Wbb = 0)。
ただし、「モノ」や「コト」が他者を評価しないのは客観的に見た場合であり、主観的には自分自身が評価されているように感じることがある。
図3 a さんと b(モノ・コト)の二者関係(a さんの思い) |
例えば、人形(b)を愛している(Wab|a > 0)人(a さん)が人形に愛されているように感じたり(Wba|a > 0)、人形を粗末に扱う(ΔWab|a < 0)と人形に呪われるように感じる(ΔWba|a < 0)ことがある。
この「モノ」や「コト」に対する思いは「ヒト」の行動に影響する。例えば、好きなことはできるが、愛する人のためでも嫌なことをするのは躊躇してしまう。また、「モノ」や「コト」は客観的に観察されるモノだけではなく、思想などのように各自の頭の中にしか存在しないものも含まれる。今後の考察で「モノ」や「コト」との関係は何度も使う予定であり、「モノ」や「コト」との関係を考慮することで分かることもあるだろう。
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